お題:苦手だったもの
〈すっぱいもの〉
子どもの頃はすっぱいものが苦手だった。
お弁当の腐り具合を弱めるから入れるだけ入れとくね、と母に言われても渋い顔するくらいには苦手。
だが20代後半になるにつれて、添えてあるすっぱさの良さというものに気がつくようになった。
唐揚げにレモン汁をかけて食べるのがいつものことになってきた、あたりが始まりだったような気がする。
もやし、キャベツの炒め物に梅干しを入れて混ぜる。
キッチンばさみでてきとーに切ったきゅうりに箸でちぎった梅干しを和える。
同盟者(生活を助け合っている大切な同居人)は炊飯器やフライパンでご飯を炊ける人なので、炊けたご飯に梅を混ぜて食べることも増えた。
レアチーズケーキを作って冷え冷えのを食べるとき、はちみつとレモン汁をかけて食べると美味しさが20%UPするような気がする。
なんだったら、冷水にレモン汁をちょっと入れてちょっと爽やかさを足したりもする。
梅干しやレモンを真っ向から口に入れてそのすっぱさを一身に受け止めることは、相変わらずできない。
が、すっぱいものが一緒にあることによって、いつものお馴染みな食べ物にアクセントをつけることができ、バリエーションのひとつとして楽しめるようになった。